ー 作品概要
イタリアのゲームデザイナー、アレックス・ランドルフ氏の作品で子供にもわかりやすいルールでありながら大人でも熱中してしまう推理ゲームとなっています。
親日家として有名だったアレックス・ランドルフ氏の作品は、そのゲーム性が日本人になじみやすいと評判があります。
初版が発売された当初、このゲームがアレックス・ランドルフ氏の作品であることを認知している人は少なく、”隠れた名作”と言われていました。
かんたんなルール説明はこちら
1~7までいずれかの数字が記された、28枚あるタイルを裏向きにシャッフルします。シャッフルしたタイルはプレイヤーの手札と場に置くタイル(表向きと裏向きの2種類)になりますがプレイヤーの人数によって枚数が異なります。
プレイする人数 | プレイヤーの手札の数 | 場のタイル(表向き) | 場のタイル(裏向き) |
---|---|---|---|
2人 | 7枚 | 7枚 | 7枚 |
3人 | 7枚 | 0枚 | 7枚 |
4人 | 5枚 | 4枚 | 4枚 |
5人 | 4枚 | 4枚 | 4枚 |
場にタイルを配置した後、手札として配られたタイルを自分にだけ数字が見えないように相手側に表を向けて立てます。
ここまでで準備が終わり、開始プレイヤーから時計回りの順にプレイします。
手番のプレイヤーは、自分が持っていると思う数字を1つだけ宣言します。宣言した数字が手札にあれば、次の手番になるプレイヤーがその札を取り除き表向きに場に並べます。
手番を交代していき、最初に自分のタイル全てを場に置けたプレイヤーが勝利となります。
ここから実際のゲームプレイを参考に、当時の駆け引きや思考等を客観的に振り返っていけたらと思っています。
「自分ならこうする」「そこからどうなる」などと、思いながら見ていただければ幸いです。
ゲームプレイバック
対戦相手のタイル
- 2
- 3
- 4
- 4
- 5
- 7
- 7
場の置きタイル(表)
- 6
- 5
- 3
- 3
- 6
- 6
- 1
場の置きタイル(裏)
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自分の手持ちタイル
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ゲーム盤面を整理して上記の表示になりました。自分と対戦相手のタイルは見やすくする為に数字順に整列してます。
ここまででセットアップが終わり、これからゲームが開始します。
対戦相手の先手番から始まり、”7”を宣言。
”7”のタイルは一番多いので最初に宣言しやすい数字なのではないでしょうか。総タイル数28枚に対して”7”のタイルは7枚、全体の25%になります。
相手が持っていたタイルの”7”は場の置きタイル(表)へ移動します。プレイヤーが3人までの場合、宣言した数字が当たった時にはもう1度だけ続けて数字を宣言することが出来ます。
続けて相手は”7”を宣言、25%もある”7”はまだ手持ちにあるはずと、会話の中でもその確信を滲ませる相手はそのまま更にタイルを置きタイル(表)へ移動します。
こちらにだけわかることですが、置きタイル(表)、相手の手持ちタイルに”3”が3枚ありますので他からはもう出てきません。
対戦相手のタイル
- 2
- 3
- 4
- 4
- 5
- 7
- 7
場の置きタイル(表)
- 6
- 5
- 3
- 3
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場の置きタイル(裏)
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自分の手持ちタイル
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※お互いの手持ちタイルは宣言されたタイルがあった場合、黒く表示されます
相手の連続手番が終わり、こちらの手番に移ります。
相手が7、7と宣言している流れですのでそれに逆らわずこちらも”7”を宣言します。
手持ちに”7”はあったのでそのままこちらの手番、また”7”を宣言するのは流石に気が引けて1つ数字を下げて”6”を宣言しましたが手持ちに”6”は無かったのでそのまま手番は終了。
対戦相手のタイル
- 2
- 3
- 4
- 4
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- 7
- 7
場の置きタイル(表)
- 6
- 5
- 3
- 3
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- 7
- 7
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場の置きタイル(裏)
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自分の手持ちタイル
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- 7
※お互いの手持ちタイルは宣言されたタイルがあった場合、黒く表示されます
相手の手番、”6”を宣言し、宣言タイルが手持ちになかったため手番終了。
両プレイヤーが”6”を持っていないという事は、置きタイル(裏)に残りの”6”が三枚隠れているのがわかりました。
対戦相手のタイル
- 2
- 3
- 4
- 4
- 5
- 7
- 7
場の置きタイル(表)
- 6
- 5
- 3
- 3
- 6
- 6
- 1
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- 7
- 7
場の置きタイル(裏)
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- 6
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自分の手持ちタイル
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- 7
※お互いの手持ちタイルは宣言されたタイルがあった場合、黒く表示されます
これまで”7”、”6”しかお互いに宣言されていませんが、そろそろ他の数字を選びたいところです…が、”7”、”6”が偏って手持ちにまだ入っているのではと考えてこちらの手番、更に”7”を宣言して手持ちのタイルが置きタイル(表)へ移動。
連続手番を獲得し、”4”を宣言。これも的中して更に手持ちのタイルが置きタイル(表)へ移動。
対戦相手のタイル
- 2
- 3
- 4
- 4
- 5
- 7
- 7
場の置きタイル(表)
- 6
- 5
- 3
- 3
- 6
- 6
- 1
- 7
- 7
- 7
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場の置きタイル(裏)
- 6
- 6
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自分の手持ちタイル
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- 4
- 7
- 7
※お互いの手持ちタイルは宣言されたタイルがあった場合、黒く表示されます
こちらが”6”、”7”宣言しなかったからなのか、相手の手番は”2”を宣言。枚数の少ない”2”を見事に的中させ手持ちを減らします。
連続手番で”4”を宣言して手持ちを置きタイル(表)へ移動する際、「(自分にとって)”4”、”5”は狙い目かもしれない」と漏らしたのを聞いて、自分は苦笑いをしていたかもしれません。
相手の予想はその通りで、次の相手手番で”4”、”5”を的中されると相手の手持ちタイルは残り1枚となり、こちらはミスをする余裕のない辛い状況になっていると感じました。
対戦相手のタイル
- 3
- 4
- 5
- 2
- 4
- 7
- 7
場の置きタイル(表)
- 6
- 5
- 3
- 3
- 6
- 6
- 1
- 7
- 7
- 7
- 7
- 4
- 2
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場の置きタイル(裏)
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- 6
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自分の手持ちタイル
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- 4
- 7
- 7
※お互いの手持ちタイルは宣言されたタイルがあった場合、黒く表示されます
これまでやり取りしたお互いの手持ちタイルの枚数、宣言の的中率も接戦の様相を漂わせています。
中盤も過ぎたかという局面でまだ”5”が置きタイルに1枚、相手の手持ちに1枚。伏せられた置きタイルに残り全てが入っている可能性ももちろんありますが、相手のタイル、場の置きタイル、既に公開された自分のタイルにそこまで数字の偏りを感じ取れなかったので”5”を宣言。
手持ちタイルから”5”が置きタイル(表)へ移動し、続けてこちらの手番。直感で即座に”5”を宣言。2枚目の”5”が置きタイル(表)へ続けて並びます。
対戦相手のタイル
- 3
- 4
- 5
- 2
- 4
- 7
- 7
場の置きタイル(表)
- 6
- 5
- 3
- 3
- 6
- 6
- 1
- 7
- 7
- 7
- 7
- 4
- 2
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- 5
場の置きタイル(裏)
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自分の手持ちタイル
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- 4
- 5
- 5
- 7
- 7
※お互いの手持ちタイルは宣言されたタイルがあった場合、黒く表示されます
手番が移り、相手の宣言は”4”。宣言タイルは置きタイル(表)へ。
続けて相手の宣言は、
”7”
この宣言はこちらも予想しておらず、驚きました。多分残りの2枚の手持ちタイルで全く予想のついていない方を先に当てに行きたかったのだろうか…
”7”はこちらから見える範囲ではまだ3枚どこかにある状況だから、一番可能性の高い数字を選択したという所なのでしょう。
この宣言を外して相手手番は終了。
対戦相手のタイル
- 3
- 5
- 2
- 4
- 4
- 7
- 7
場の置きタイル(表)
- 6
- 5
- 3
- 3
- 6
- 6
- 1
- 7
- 7
- 7
- 7
- 4
- 2
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場の置きタイル(裏)
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- 6
- 6
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自分の手持ちタイル
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- 4
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- 5
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- 7
※お互いの手持ちタイルは宣言されたタイルがあった場合、黒く表示されます
お互いに手持ちタイルが2枚となりギリギリのやり取りが続く中でこちらの手番、次にどの数字を宣言するか予想できますでしょうか。
”3”
こちらは”3”を宣言。
序盤でも説明していましたが、”3”は出所が全てわかっている数字なのでこちらの手持ちに”3”があるはずもありません。それでもここでその数字を何故選択したのか。
この盤面は、完全にミスした結果でした。場の置きタイル(表)に集中するあまりに相手の手持ちタイルの存在を忘れていて、こちらの宣言的中したタイルから”3”が出る流れを感じたのです(絶対に出ません)
宣言が外れた後に相手の手持ちに”3”がある事を思い出し、この時はとても悔しい思いをしていました。
対戦相手のタイル
- 3
- 5
- 2
- 4
- 4
- 7
- 7
場の置きタイル(表)
- 6
- 5
- 3
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場の置きタイル(裏)
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自分の手持ちタイル
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※お互いの手持ちタイルは宣言されたタイルがあった場合、黒く表示されます
相手の手番、”4”の宣言が外れて終了しました。
この時の相手手番ですが、こちらが”3”を宣言したので相手は自分の手持ちタイルの中に”3”が無いと思い、予想が合わなくなって混乱していたらしいです。
対戦相手のタイル
- 3
- 5
- 2
- 4
- 4
- 7
- 7
場の置きタイル(表)
- 6
- 5
- 3
- 3
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場の置きタイル(裏)
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自分の手持ちタイル
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- 7
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※お互いの手持ちタイルは宣言されたタイルがあった場合、黒く表示されます
チャンスになっているとも知らずこちらの手番、”6”を宣言。
そうです、またやらかしてしまっています。序盤に”6”はお互いの手持ちには無いことは確認していたはずなのにこの始末です。
当然、宣言は外れて手番終了。
対戦相手のタイル
- 3
- 5
- 2
- 4
- 4
- 7
- 7
場の置きタイル(表)
- 6
- 5
- 3
- 3
- 6
- 6
- 1
- 7
- 7
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- 7
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- 2
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場の置きタイル(裏)
- 6
- 6
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自分の手持ちタイル
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- 4
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- 5
- 7
- 7
※お互いの手持ちタイルは宣言されたタイルがあった場合、黒く表示されます
相手の手番、保留にしていた”5”を渋々と宣言。
残り一枚になり、次の手番に入る直前に一言。
「もしかして、かなり悪どいことしてる?」
こちらのミスで宣言した”3”が最高のブラフとして相手に効いていたようで、その時のこちらの宣言もブラフの様には見えなかったようです。
こちらは本当にあるの思っていたので同然ですね。
そして相手は”3”を選択、最後の一枚が場の置きタイルへ置かれゲームは終了。
対戦相手のタイル
- 2
- 3
- 4
- 4
- 5
- 7
- 7
場の置きタイル(表)
- 6
- 5
- 3
- 3
- 6
- 6
- 1
- 7
- 7
- 7
- 7
- 4
- 2
- 4
- 5
- 5
- 4
- 5
- 3
場の置きタイル(裏)
- 6
- 6
- 6
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自分の手持ちタイル
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- 4
- 5
- 5
- 7
- 7
※お互いの手持ちタイルは宣言されたタイルがあった場合、黒く表示されます
何も無ければ短時間で終わるのですが、今回は談笑交じりのプレイだったためこのゲームは30分位掛かっていました。偶然とはいえ、ブラフが混じると混迷とした展開になるのが身をもって理解できました。ブラフを抜きにしてもタイル数字の流れ、思考の読み合いが楽しい一戦でした。
ゲーム結果
○対戦相手
的中率:70%
●自分
的中率:62%